「白物家電化」から「スマホ化」?

■ 去る5月27日、Googleが自動運転カー(Google Self-Driving Car)のプロトタイプを公開しました。これまではトヨタのプリウスなどを改造した実験車を使ってきましたが、これはゼロから開発したものでステアリングホイールやブレーキ・アクセルペダルがなく、屋根には360°をチェックする為のセンサーユニットが搭載されています。

2人乗りで荷物スペースも備わっています。当面はマニュアル運転機能付で走行テストを開始し、順調にいけば2年以内にカルフォルニア州でパイロットプログラムを開始するとのことです。

■ 自動運転と言えば昨年の10月、アウディのRS7  Piloted Driving Conceptが完全自動運転でホッケンハイムリンクを激走し、自動運転車として過去最速の240Km/hを記録したと話題になりました。その実際の走行の様子はYouTubeに公開されています。


■ 完全自動運転の技術開発に積極的な自動車メーカーとしては、VWグループの特にアウディ、ボルボ、トヨタ、メルセデス・ベンツなどが上げられます。そしてメルセデス・ベンツは今年のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー:全米家電協会見本市)でコンセプトカー「F015 Luxury Motion」を発表し、完全自動運転のラグジュアリーカーの一つのスタイルを提案しました。

 

■ この完全自動運転を可能にするには、情報通信技術:ICT(Information and Communication Technology)を欠くことができません。自動車がICTを取り入れて進化しつつある流れの一方で、IT業界の方からも車に近付いてきている(GoogleやApple等)のは当然の成り行きと言えるでしょう。

自動車の「白物家電化」から「スマホ化」?:テスラSのインパネにドッカと据わる17inchタッチスクリーン
自動車の「白物家電化」から「スマホ化」?:テスラSのインパネにドッカと据わる17inchタッチスクリーン

■ Googleは全世界の精密な地図データを持っています、更には自社のOS(Android)を搭載したスマホが世界中で使われています。ICTが自動運転の核心とするならGoogleさえその気になれば、クルマと同時に街単位でインフラ整備もやってしまう事も可能と言えるでしょう。そしてそこに自動車メーカーは危機感を持っています。もはや切っても切れない関係にある自動車メーカーとIT企業、今後の係わり様はまったくの未知数です。

 

Googleの自動運転カーへの本気度は図りかねますが、IT業界の常「移り気・変わり身の早さ」故に、明日にでもポイっといとも簡単投げ捨てるやもしれませんね。           ・・・・・・(六)